読者の言葉一覧
佐野夕紀さん
性別:いずれでもない、好きな作家:小川洋子
新生児科医として、毎日のように「最初の呼吸」に立ち会っています。だから、「まず息を吸うことで人間をはじめる」という一節に立ち止まりました。 医学的には、出生は肺だけでなく循環も含めた移行で、呼吸もまた、いくつもの生理現象のひとつとして説明できる。でも、そうやって説明し尽くしたあとにも、最初の一呼吸には何かが残る。 肺に空気が入り、泣き声がして、それまで胎内にいた存在が、こちら側にいる。医師として何度も見てきたはずなのに、朝比奈さんの文章を読んで、それを「存在/不在」という言葉で初めて見直した気がしました。 死をたくさん見てきた医師が、死について書きながら、生まれる瞬間の呼吸に辿り着く。その往復がよかった。
eomさん
桂花ラーメンが恋しくなってしまった。旅すると出会える、東京では絶滅した景色。東京ではもう絶滅したと思っていたホモ・サピエンス。まだまだ日本にはいろいろ生息しているんだな、と思う。
Rさん
40代、性別:いずれでもない、好きな作家:朝比奈秋
ひとつの物語を読み終えたような、静かでいて豊かな読後感です。往復書簡を何通続けてくださるのかわかりませんが、いつか書籍としてまとめてくださることを願っています。紙の本で、手元に持っていたいです。きっと私の、生きていく/死んでいく、お守りになります。
Katsunariさん
50代、男性、好きな作家:村上春樹
新宿の桂花ラーメン、大学生のとき友人に教えてもらって、忘れた頃によく行ってました!コブクロさんの文章、スッーと入ってきます!!!好きな文体です!!!(ごめんなさいエッセイ集、まだ買ってなくて初めて読みました……いつか手に入れて読みます!!!)
まないたさん
20代、女性
「子供の頃って平成一桁年で、まじでただの、昭和の残尿みたいな感じやってん。」 めちゃくちゃパンチラインで痺れた。時代の過渡期に生きた苦渋を、こんな面白いエッジの効いた言葉で表現できるか?最高です!
MOHさん
60代、男性、好きな作家:平野啓一郎
前編を読んで「アレッ?」何かのついでに書いた感じ?と思いながら、後編を読むと前編が後編のプロローグであることが分かりました。 「東京都同情塔」と同じように、現社会を醒めた目で批評を重ねていく読み心地の良い作品でした。 https://note.com/mohxxx/n/n854a447cac1f
よよさん
30代
通勤の電車の中で読んでいます。続きが気になる!お待ちしております。
ファンシーグッズさん
30代、性別:いずれでもない
すごく良い ものづくりは楽しいし、時には痛みを忘れさせ夢中になれる スタートがいつでも遅くないし、年代を超えて人と分かち合えることもある すばらしさを再確認できて、純粋にそうだよね!楽しいよね!と画面を超えてお話しした気分でした
Kさん
40代、女性、好きな作家:金原ひとみ
金原ひとみさんの小説がWebで読めるなんて! 過去に受けた凌辱に対し、友人主導とは言え本気で復讐に立ち向かっていく過程に本当に実行してしまうのかとハラハラしたけれど、終わってみればやり切った感で昇華、ラストは爽快ですらありますね。 一連の出来事には常に$㎜の曲があり、場面場面での曲のあり方の変化も良き。 片親パンやタイミー等、流行のワードが盛り込まれていることで読み返すときに時勢を反芻でき、その時代を生きていた証のようでとても好き。
aさん
「往復書簡」のフィルターを使えるようにしてほしい。
しょうた釜さん
30代、男性、好きな作家:市街地ギャオ
宅配業者の鳴らすチャイムは、異様なボリュームを出力している気がする。 跳ね起こされた体。まだ眠いのに眠れない体。日々の疲れというものは寝るだけではとれないことを土曜日の朝から思い知らされた。 余裕のあるときに読もうと、『蠱王』のページがSafariのタブに鎮座していたのをふと思い出した。今が「余裕のあるとき」ではない気がするが、きっと余裕のないときでもない。 美しい書き出し、からの「尿意」で、ギャオワールドへようこそ。 たった2文を読んだだけなのに、求めているものが得られたような気がした。そして、そのまま最後まで読むことを続けさせられる慣性を帯びた文章がとてつもなく心地いい。それは流行りの音楽から摂取できるリズムとはまったく異なるものであって、だからこそ小説は面白い。 今作に登場する「男」はどこか達観しているように見える人間でありながら、そこからシームレスに逸脱していく。 人間の世界とオオクワガタの世界、同じ世界の中にある違う世界が混じりあっていく過程で、「男」の心だけがつまみ出されていく感覚が、オオクワガタの卵を慎重に取り出す様子と重なった。 ギャオさんが書きたいと思っている、そして書き上げた文章が、自分が読みたい文章であるという偶然のような必然に、これが恍惚の境地であると噛み締めざるを得ない土曜日の朝だった。
佐野夕紀さん
性別:いずれでもない、好きな作家:ミシェル・ウエルベック
家系のくだりを読みながら、ポケモンが世代毎に増殖しすぎて、コンプリートする気が失せたのを思い出しました。資本が対象を増やして欲望を無効化する話が、比喩ではなく事実として書かれている。 結末の読み方に迷いました。この小説は、稀に新しい水域で生き延びる個体がいるという話に続けて、自分こそその特別な一匹だと証明するみたいに皆が殴り合っている、と書きます。ところが最後で語り手は、アカウントを消すことを、後方に下がって好機に駆け上がる者の振る舞いとして語り直し、自分にエースナンバーを与える。批判してきた身振りそのものです。 それを作者が意図した皮肉と言いきれるかどうか。 語り手は消える直前に、自分は間違ったことをしている、と半分は自分が見えている。しかもその自認をブレーキにせず、九番の戦術へ翻訳する助走のほうに使う。気づいていないのか、承知のうえでやっているのか、決める材料が本文にない。語り手の自己像を測る物差しである久住君が、同級生は皆あの頃の延長線上にいるだけだと切り捨てたその同じ語り手の中で、一人だけ無傷の聖人として残っている。 意図された宙吊りなのか、私が読み落としているのか。そもそも、皮肉と読みたくなること自体が、この作者ならここは高度なはずだという信用で埋めているだけかもしれません。書き手を一人だけ法則の外に置くその読み方こそ、この小説が診断していた身振りではないかと思うと、落ち着きが悪い。この迷いが、テーマと繋がっていることは確かだ。
ぽぽぽさん
30代、男性、好きな作家:京極夏彦
現代社会に蔓延る陰の部分を物語で掬い取る。自分の話のように読めて、SNSの憎悪の渦には呑まれまいと思った。物語だから現実問題に、あれってどうなんだって考えようと思える。きっかけをもらった。
darkredsunriseさん
50代、男性、好きな作家:中上健次
「フォルスナイン」という役割がサッカーで存在するのを、この作品を読んで初めて知りました。とても面白く読めました。サッカーを、またプレイしたくなりました。
ゆらゆらさん
40代、女性
感想と言われると違うかもしれません。目に止まったこちらのエッセイを何気なく読んでいたら…もしかしてその小切手の彼女は私がインスタでフォローしている方かも?という思いがふとよぎりました。もしそうならなんだか勝手ではありますが私の中で繋がって不思議とうれしい気持ちです。
浄土寺浄土堂さん
20代、男性、好きな作家:池澤夏樹
初めてシュノーケリングをした時と、初めて中学生の友達とブログをした時、それは確かに似ていた感触かもしれない。水面に顔をつけた瞬間、綺麗な魚が沢山泳いでいた。知らない主婦や同年代の少年と色んなやりとりをして面白半分、底の見えない怖さ半分。 海から未知の人工生命が上がってくるという考えは、攻殻機動隊的でもあり、東洋的でもある様にも思う。
こまこさん
30代、女性
こだまさんの哀しさを可笑しさで伝えてくれる文章が大好きです
義務じゃないさん
20代、性別:いずれでもない、好きな作家:柚木麻子さん、児玉雨子さん、モナ・アワド
冒頭の文章がすっっごく良くて、夜の世界の中で、そこで働く女性たちがどう生きているのかを、肌でヒリヒリと感じました!続きが楽しみです。
うなぎうなぎさん
30代
わたしも死滅回遊魚。
くまこじろうさん
40代、男性、好きな作家:遠藤周作
初めてネット小説読みましたが、感動して心休まりました。
光宙(ぴかちゅう)さん
60代、男性、好きな作家:夏目漱石、林芙美子、太宰治
【ネットサーフィン】って言葉がありましたよね。今は死語ですが。 その頃、誰も海の底には入ろうとしませんでした。それとも、浅瀬だけの海だったのかもしれません。 いまの「海」は深くて、底が見えない。そこで、交わされる言葉は、「海の聴力」の世界で、それに耳を澄ませていると、自分も海の一部なんだと気づきます。そして、30年分の仄暗い藍色の匂いを感じます。 私にも「豆」がいました。 今も海にいるのでしょうか。 もう一度話がしたいです。 その海には昆虫もいますか? (入力中……)
narashika_jpさん
50代、男性、好きな作家:児玉雨子様
テンポよく、マリカの二十六がオッサンの五十代と混ざり合ってクールに溶けていくのが涼しい夏のようで寂しいです。
OKTANGさん
30代、男性、好きな作家:市街地ギャオ、西加奈子、金原ひとみ
男の身に起きることを淡々と実況中継のように綴っていく文体は、過剰な熱を帯びておらず、するすると読み終えてしまいました。 けれど読み終えた後、「選別される命」であるオオクワガタと人間の対比(というか相似)の描写があまりにグロテスクで(私はどうしても、やまゆり園の事件を想起してしまい)、暗澹たる気持ちになりました。 評価される現実世界に適応しようとした(がしきれなかった)結果、より現実世界の価値観を純化した価値体系を持つ世界を再現してしまうという構造は、一見フィクショナルなようで非常に現実的です。 元々社会的な作品を描く著者だとは感じていましたが、より強くその性質が出ている作品だと感じました。この短さでこれだけの密度と広がりが同時に描かれていることに驚嘆しつつ、障害者=選別される側であるというイメージが再生産されているような印象も残り(作品自体が優生思想を批判的に描いていても)、読み終えた今もぐるぐると心に残っています。 このぐるぐると渦巻くものは、自分にとっても社会にとっても必要なぐるぐるのような気がしています。
佐野夕紀さん
性別:いずれでもない、好きな作家:福永武彦
本当に偶然居合わせた住人同士のような空気感で、お二人が距離をはかりながら慎重にやりとりしているのが可笑しかったです。青松さんの冗談はちょっと雑に見えて、どこまで届くかを試す球を投げている。外れる可能性も含めて測っている。受け取った九段さんはその意図を分析して、試されているのかと戸惑う。 投げて測る人と、受けて測る人が並んで立っている。 本棚の紹介なのに、途中から二人の手つきを見ていました。ご自分の小説について青松さんに指摘され、初めて言われたと驚く場面がよかったです。鋭い球が届いている。 本の話をしているうちに、その人が出てしまう企画なのだと思いました。
佐野夕紀さん
性別:いずれでもない、好きな作家:池澤夏樹
話しているのは誰だろうと思いながら、糠床に突っ込む腕や、四十年着たセーターの補修のあとを一緒に見ていました。二階の物置に仏壇が押し込めてあると書かれたところで、ああ、と声が出ました。ずっと、隣に座って読んでいた。 結局誰なのかは教えてもらえませんが、語り手が毎日していることが切実に見えてきます。どこから来て、何をしに来たのかが分からないものを毎日眺め、推測を並べては引っ込める。ただし話子さんは不可視ではありません。全身くまなく見えていて、それでも同定できない。庭で空を仰ぐ彼女のほうが、この家に毎日現れる最大の未確認飛行物体です。 長生きを毛糸にたとえかけて自分で却下する箇所で笑いました。蛇口の一瞬の躊躇を、忘却ではなく朝の祈りかもしれないと言い直すのもいい。そして七時ちょうどの朝食だけは、解いても何にもならないと手を触れずに置いていく。諦めではなく礼儀なのかもしれないと思いました。 話子さんは、誰にも読まれないままあの家に残ります。
四丈半島さん
今日の日中に投稿した感想の「液晶」は「モニター」の間違いでした……確認の際もし訂正していただけるなら、訂正していただけるとありがたいです……申し訳ありません。 (以下訂正した感想です) ダイヤルアップ接続の音とか、モニターにやたら奥行きのあった時代のパソコンの、キーボードのブニブニしたカバーの感触を思い出させられた。 ネットの世界も自分自身の置かれた環境も変わっていくなか、ずっとずっとひとりで書き続けてきた静かでたしかな自負が、深い井戸の底からほのかに光っているような文章で、好き!
asさん
相手に解釈されることのない、与えるだけの愛は、どんな形をしていようと気にしないでいられて心地よい。暴力ですら愛を名乗れる。 こんなふうに一方通行の感情だけで生きていけたら、生きることは楽なのかもしれない。 部屋の中で暴走して形を変えていく愛。 グロ…しかも蟲…ではありますが面白かったです!
佐野夕紀さん
30代、性別:いずれでもない、好きな作家:小川洋子
殺人の計画が、そのまま友情の実技になっているのが奇妙に爽やかでした。ヨリは泳げるようになるために特訓し、ミツオは大嫌いな男に媚びを売り、ノートを見せ、睡眠薬を分け与えるところまで距離を詰める。最後に二人がこぼすのは、殺せなかった無念ではなく、自分がどれだけ手間をかけたかのほうでした。殺意が、労力の量として目に見える形でニイナに手渡されている。だから、実際に殺さなくても足りてしまうのだと思いました。 そして最後、バックミラーにトシヤが歩いている。生きている加害者を置き去りにして、三人が前に進む。笑い声は爆音にかき消され、なお車は止まらない。あの一行で、ずっと鳴っていた曲の持ち主が変わったのだと分かりました。
佐野夕紀さん
30代、性別:いずれでもない、好きな作家:南木佳士
前編の軽快な往復が、游の離脱を境に、返信のない一人語りに変わります。そこから、画面をスクロールすること自体が海を泳ぐことになりました。読むのをやめれば、豆は誰にも見られない海に取り残される。そして、豆は游に語りかけているはずなのに、それを読んでいる自分が、いま豆と会っているのだという感覚がありました。会えるかどうかを三十年争っていた二人の横で、読者だけが会ってしまっている。 読み終えてからも、自分はいまどんな海にいるのだろうと考えています。
mさん
性別:いずれでもない
よくないところは紙の本にまとめられてないとこ!! こんな名作、どんどん布教したいしどこでも読みたいのに……
の風さん
私はオンライン上で出来た友人と会ったことがなくこれからもないと思う。主人公の恐れはよく理解できた。 人と関わることの最終目的は生身で会うことなのだろうか。それ以外はそのための準備期間に過ぎないのか。それは私も普段から考えることがある。周囲は皆当然思っているように見えるからだ。そうでなければ価値がないという暗黙の了解を感じる。 文字情報の交換だけが虚しいのもわからないわけではない。 結局リアルに裏切られることはリアルを得られないことより耐えがたく許せないのかもしれない。 オフ会合を断る長文メッセージが面白かった。
へやのかたすみさん
30代、男性、好きな作家:中村文則さん、朝比奈秋さん、宮本輝さん
作中にも似たような文言が出てきますが、大学生あるあるとして処理されてしまいがちな問題に、ぐさりと切り込んだ内容でかなり引き込まれました。 こういう声を挙げられるのって、やっぱり文学ならではなのかな。 あと、大学生らしいノリと、中途半端な決断と中断が、ほんとうにリアリティがあって、大学生、と簡単に括ってはいけないと思うけれど、とても臨場感がありました。
あおいさん
好きな作家:墨香銅臭
近所に住まわれていた老婦人のことを思い出しました。会話をしたことはなく、家と共に時を重ねられている感じがとても素敵でした。ある時から姿を見かけなくなり、家も壊されてしまいました。一度話がしてみたかった。私の想像はあくまで家屋に面した道路の外からのものです。「話子さんのはなし」では家の内側から豊かな日常が心に流れ込み、まるで近所の老婦人に再会できたような気持ちになりました。嬉しかったです。
市街地ギャオ🦖さん
読んでくださりありがとうございます🤩 感想、超モチベになるのでよかったら書いてください! ひとことだけでも、「ここがよくなかった」とかでもまったく🆗です
曲がったサボテンさん
30代、男性
対等な人間関係を築くことができず「一般的な幸福」から疎外された男。 彼のこれまでの経験には同情してしまい、自分も他人事では無いな。と思っていましたが...。 オオクワガタのブリードという題材を通して、現代的な孤独、承認欲求、優生思想、愛情と支配の境界線が溶けた精神の記録を描いた読み応えのある作品でした。 「この描写はエグい」と感じながらも男の意識の流れと地続きで書かれているためか、男の視点に半ば引きずり込まれるような形でスクロールする手が止まることなく読めました。
渋谷遼典さん
30代、男性、好きな作家:ミラン・クンデラ、内田百閒、幸田文
校閲者です。 一つ一つの文章の精度の高さに、『茄子の輝き』のころから感嘆しながら拝読しています(滝口さんのゲラでの「直し」の凄さを皆さまと共有できないのが残念なくらいです)。 話子さんの暮らしの細部のリアリティ! 彼女の生活が持つ心地よい、どこか不思議な時間の流れを、読者は確かに共有する。だからこそ、中盤以降のぎょっとする(しかしあくまで淡々と綴られる)展開が、心地よい驚きとして読者を愉しませつつ、文章の終わりまで運んでいく。読み終えた読者は普段とは少し違った時間の流れに身を浸していたことにふと気づく。文章とリアリティということについて、改めて考えさせられました。 唐辛子についてなのですが、ぎりぎり初冬(11月ごろ)(参考 : https://agri.mynavi.jp/2021_02_13_148279/ )までは収穫できるようです......!
ひぐれさん
20代、女性
愛っていう字はカクついているはずなのにやわらかい雰囲気がある。その違和感みたいなものが、愛そのものだなと思うし、この男の愛もそんな感じに受け取った。正しい愛なんか定義はなくて、愛を持つときに出てしまう人間の底にある当たり前の暗い感情を「ダメだよ」とかいえないから、この男のことを気狂いとももちろんいえない。でも、男が操ってるように見えて操られてね?という感じもなんだかそれも愛みたいだなぁと皮肉で面白かった。
ru.さん
20代、女性、好きな作家:市街地ギャオ
オオクワガタも精神も容赦なく#グロだったけど始まりの虚が分かっちゃうから、息を潜めて歪みを見届けるしかなかった。ギャオさんの書くどこかのだれかの虚の行き着く先をもっと読みたいと思った。
たなかさん
50代、女性、好きな作家:市街地ギャオ
重い愛の物語だった。読んでいて臭いを感じるまでの禍々しい言語化。人それぞれ、いや、生き物それぞれの愛とそれに伴う壁紙についた傷のような痛みと証拠。ぐっと息苦しくなる、それでいて目が離せない素晴らしい作品でした。
八朔さん
30代、女性、好きな作家:今村夏子
タイトルがとても素敵で、やられた、と思いました。話子さんの三つのお気に入りのくだりがわたしのお気に入りポイントです。また読みにきます
滝口悠生さん
40代、男性、好きな作家:藤枝静男
作者です。 公開されたものを自分で読んでみました。作品後半のうどんを食べるくだりで、「夏は庭に、冬は室内の窓辺に置いた唐辛子の鉢から赤くなった実をひとつちぎって、それをつゆに放り込んで」とありますが、考えてみると冬はいくら室内に鉢を置いていたとしても唐辛子の実はならないように思います。なので、話子さんは冬にうどんを食べるときは、夏に収穫して冷凍しておいた唐辛子の実を、冷凍庫から取り出して使っていたのかもしれません。
へやのかたすみさん
好きな作家:中村文則さん、朝比奈秋さん、滝口悠生さん
目まぐるしい展開のなかで、けっきょくは同じ地平を見させられていた、という感覚。ぶっ飛んでいるようで、どこまでも人間臭い。こういう作品をいつまでも読んでいたい。
へやのかたすみさん
30代、男性、好きな作家:中村文則さん、朝比奈秋さん、滝口悠生さん
九段さんの作品を初めて読みましたが、度肝を抜かれました。『文学』という区別を嘲笑うようでいて、誰よりも『文学』を愛している──読後、なぜかそんな印象をもちました。
眼鏡八郎さん
10代、男性、好きな作家:山田詠美さん、九段理江さん
九段さんの作品の、唐突に現れるクスッと笑える一言が大好きです。『東京都同情塔』の冒頭はまさにそうです。『しをかくうま』にも『海』にもあった気がします。 九段さんの作品を読むと、感じたことを伝わるように紡ぐための、いわば文体のOSが欲しくなります。そんなところで今夜も私は文章修行に励むのです……。
眼鏡八郎さん
10代、男性、好きな作家:サルトル、九段理江さん
うぎゃー!! 豆は現実とは完全に隔絶された世界にいたのか!! 「それなのにおかしいよ 自分でつくった海に、自分から溺れにいくなんて」身につまされます。肉体に囚われない未来へ向かっている癖に、肉体を求めてしまうんですね。
眼鏡八郎さん
10代、男性、好きな作家:石川淳、九段理江さん
私は思うんです。リアル世界とネット世界という二項対立は存在しない、と。いつか必ずネッ友に会いたくなってしまうものなのです。彼(彼女)が存在していると知るために。AIの発展によって実態のない人格に疑いをかけることはもはや当たり前になりました。そんな世界での生理的欲求を書いた九段さんに、無礼ながら「それな〜」と申し上げたいのです。今作でもユーモアに笑わせていただけました。
koinuさん
30代、女性、好きな作家:小袋成彬、あさのあつこ、川上未映子
小袋さんの音楽や詩には、状況や風景が浮かび上がり、胸の芯に迫る描写の力があります。人に向ける眼差し、その知性、優しさ。ライブに足を運び、さいたま市長選に関わることもありましたが、彼はその芸術から感じ取ったままの人で、(勝手な)失望をしたことがありませんでした。これからも、自分自身を高め続け、彼の芸術に交差する日を楽しみに生きたていきたいと思いました。
青野暦さん
30代、男性、好きな作家:カーヴァー、ウルフ、庄野潤三、古井由吉
九段さんの「ヴァース・ノベル」への進出作品、と思って読んだ。めちゃ面白かったです。友人に教わって来たのですが、なんだこの場所は!面白いですね〜。新しいプラットフォーム、形式への敬意みたいなものを表現されているのも九段さんらしい、素敵な作品で、読めてうれしかったです。
テラモト ケンイチロさん
20代、性別:いずれでもない、好きな作家:村上春樹
20代を終えて30代へと進んでいこうとする29歳の今だからこそ求めているものがあって、それが30代をより良い時間にしていけるかどうかの展望だ。実際に30代になって、その10年間を生きてみないことには分からないことではあるのだけれど、それでも同じように歳を重ねて変わっていこうとする誰かの言葉を受けてそういう未来を想像したくなる。その意味で、小袋の文章はそういう求めている自分の価値観に合うエッセイだった。35歳になった彼がアーティストたちの作品に触れることで、まだ迎えていない未来に想いを馳せる。自分も同じような思わず足を止める作品を作れるのだろうか。そんな葛藤であり、ミュージシャンとしての覚悟を覗かせる文章に触れることで、これから30代になっていく自分の人生と重ね合わせたくなった。
へやのかたすみさん
30代、男性、好きな作家:滝口悠生さん、朝比奈秋さん、中村文則さん
滝口さん独特の文体とストーリーで、この作品も楽しく(迷いながら?)読ませていただきました。 死者の視点、と言いましょうか、ひどく曖昧な視点だからこそ、老人の何気ない日常が、こんなにも愛らしく思えるのではないかと思います。他の作品もそうですが、滝口さんの作品を読むと、日々の日常を丁寧に生きたいと思えます。















