
連載
マリカとカリナと足りない在処 第七夜
児玉雨子
8 エレベーターの扉が開くと、スーツを着た若い男がこちらを見るやいなや、向こうで固まったまま突っ立っていた。エレベーター内の鏡で施術後の肌を眺めていたので、到着までにマスク装着が間に合わなかった。カリナは俯きながらも目だけぎょろつかせてこちらを見つめてくる男に舌打ちして、早歩きで堅牢なエレベーターから出る。ビルの外に出てから、バッグの中に折りたたんでいたマスクを耳にひっかけた。顔の下半分と首の点状

作詞家・小説家
1993年生まれ。神奈川県出身。2023年に『##NAME##』が第169回芥川賞候補作。他の著書に『誰にも奪われたくない/凸撃』『目立った傷や汚れなし』がある。
まないたさん
20代、女性
「子供の頃って平成一桁年で、まじでただの、昭和の残尿みたいな感じやってん。」 めちゃくちゃパンチラインで痺れた。時代の過渡期に生きた苦渋を、こんな面白いエッジの効いた言葉で表現できるか?最高です!
義務じゃないさん
20代、性別:いずれでもない、好きな作家:柚木麻子さん、児玉雨子さん、モナ・アワド
冒頭の文章がすっっごく良くて、夜の世界の中で、そこで働く女性たちがどう生きているのかを、肌でヒリヒリと感じました!続きが楽しみです。
よよさん
30代
通勤の電車の中で読んでいます。続きが気になる!お待ちしております。