
エッセイ
連載
小池水音 ⇒ 朝比奈秋 (往復書簡 第一通)
小池水音
手紙というものをあらためて書いた経験はあるだろうかとふりかえってみると、大学生のころ、当時恋をしていたずいぶん歳上のかたに宛てて、3000字に及ぶ怪文を和紙に綴った苦い記憶がよみがえりました。 この往復書簡のタイトルには「死」という字が三つも入っています。「恋」に引けを取らず切実な、深刻なテーマと言えそうです。企画してくださった編集のTさんも「軽い話題から入っていただいても」とのことなので、かつて

最新更新:2026/10/21
生と死を描き続けている作家二人による往復書簡

連載
小池水音 ⇒ 朝比奈秋 (往復書簡 第一通)
小池水音
手紙というものをあらためて書いた経験はあるだろうかとふりかえってみると、大学生のころ、当時恋をしていたずいぶん歳上のかたに宛てて、3000字に及ぶ怪文を和紙に綴った苦い記憶がよみがえりました。 この往復書簡のタイトルには「死」という字が三つも入っています。「恋」に引けを取らず切実な、深刻なテーマと言えそうです。企画してくださった編集のTさんも「軽い話題から入っていただいても」とのことなので、かつて

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朝比奈秋 ⇒ 小池水音 (往復書簡 第二通)
朝比奈秋
小池さんがかつて歳上の女性のために書いた恋文というのを読んでみたかったです。怪文ならなお一層、心が惹かれます。 たしかに、恋文以外で長い手紙をやりとりすることは、もう一般的にはない時代ですね。たとえ作家であっても、そうでしょう。いただいた書簡を読みながら、ふと今までの人生で受け取って来た手紙について思い出してみました。記憶が定かなら、どうやら私自身、これほど長い手紙をもらったのは人生で初めてのよう

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小池水音 ⇒ 朝比奈秋 (往復書簡 第三通)
小池水音
お返事をありがとうございました。 (かつての恋文もそうでしたが)書簡というのは多かれ少なかれ、相手が求めているものかわからない自分自身の一部を切り身にして差し出し、押しつける、恐ろしくかつ厚かましい営みなのだと、あらためて感じます。 それでもお返事を拝読して、安心して、このさきしばらくはじぶんの厚かましさを看過してみようかと思います。無理のない範囲でお付き合いいただけたら嬉しいです。 呼吸という明