
連載
ヒロシマナウ ナガサキナウ (6)カステラの重さについて
小林エリカ
裕紀子 場所:名古屋の祖父の家 日時:1985年夏 あなたは、長崎の爆心地公園で、あなたの祖母のことを、話してくれた。 実は母方の祖母が長崎の出身なんだ。祖父の後妻さんだから血の繫がりはないのだけれど。 あなたの祖母は名古屋へ嫁いでいて、あなたは彼女と一緒に長崎へ行ったこともなかったから、あなたは長崎のことを何も知らない、という。 ただ知っているのは、彼女のソウルフードがカステラだということ。 泊
作家・アーティスト
1978年、東京生まれ。2014年、『マダム・キュリーと朝食を』が三島賞、芥川賞の候補に。22年、英語版『Trinity, Trinity, Trinity』(ブライアン・バーグストロム翻訳、アストラハウス刊)が日米友好基金日本文学翻訳賞を受賞。2024年、『女の子たち風船爆弾をつくる』が野間新人賞候補、25年に三島賞候補に。同年、同作で毎日出版文化賞を受賞。
