
エッセイ
夢の小切手
近藤聡乃
「あの人なんて名前だっけ」と、ふと思い出しては考えていた時期がある。あれは「KiyaKiya」というアニメーションを完成させた少し後だから、たぶん二〇一二年のことだ。 その頃私はニューヨークのクイーンズ北西部、アストリアという地区で一人暮らしをしていた。マンハッタンの川向いでありながら、どこか長閑な街である。四階建ての建物の四階に住んでいた。1Bedroomと呼ばれるリビングとベッドルームの二部屋

夢の小切手
近藤聡乃
「あの人なんて名前だっけ」と、ふと思い出しては考えていた時期がある。あれは「KiyaKiya」というアニメーションを完成させた少し後だから、たぶん二〇一二年のことだ。 その頃私はニューヨークのクイーンズ北西部、アストリアという地区で一人暮らしをしていた。マンハッタンの川向いでありながら、どこか長閑な街である。四階建ての建物の四階に住んでいた。1Bedroomと呼ばれるリビングとベッドルームの二部屋