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WEB文芸誌 文学茶釜(何が出るかな)
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Illustration: ©DAISUKE KONDO

お知らせ2026/08/05

創刊のご挨拶

拝啓

盛夏のみぎり、
災厄のみぎり、
戦争のみぎり、
物価高と困難な生活のみぎり、
読者の皆様はいかがお過ごしでしょうか。

世界からあまりにも多くのものが失われていく中、一年もの時間をかけて、U-NEXTは新しい雑誌を作り上げる機会に恵まれました。

現実が逼迫する一方で、虚構である文学の意義は問われ続けています。いや、もはや問われてすらいないのかもしれません。20年続く業界の斜陽化は、多くの人々の内にある「無意味である」という結論を表しているのかもしれません。

そんな世の中にあって、何故わざわざ一年もかけて文芸雑誌を作ったのか、不思議に思われる方も多いかと存じます。
一つには、未来は常に可変だからです。
二つには、今日、日本文学界には未来を変えうる、多くの才能が集まっているからです。

創刊号に短編「永遠とみみずく」を寄せてくださった市川沙央さんは、自身と同じく障害を抱えた人物を主人公に据えた『ハンチバック』でデビューし、芥川賞を受賞。また同作の英訳版がジョン・レナード賞最終候補に選出され、話題となりました。
話題となったのはその快挙だけではなく、作品と、市川さんから発せられた出版業界への批評の言葉です。紙の本は健常者の特権であることを示し、他にも多くの特権が気づかれないまま野放しになっていることを、暗示してくださいました。

「文学茶釜(何が出るかな)」は、それぞれ固有の想像力を持つ表現者の、自由な創造物を世に送り出すための場所です。
作品は時に、読む・見る・聞く人の心を搔き乱すような強烈な疑問や、ハレーションを孕みます。
そんな作品についてのお言葉はぜひ「読者の言葉」コーナーに、投稿していただけませんでしょうか。
ご意見とご感想は、公序良俗に反さない限り全て公開します。また編集部と、書き手の皆様とで大切に拝読します。回答は、いつか発表する別の作品の中で提示されるかもしれません。

すでに多くの人の中から消え去ったのかもしれない、人間とその世界を揺るがす文学の効用を、ウェブという、功罪ありながらも、依然として大きな可能性を秘めた場所で発揮していくことを、心から楽しみにしています。

そして何より、掲載された作品が、読者の皆様の心を、真に助けることを願っています。

言葉と表現の力に生かされた私たちは、未来のために一体何ができるのか。
読者の皆様と共に、考えていくことができれば幸いです。


最後に、文学茶釜を作り上げているスタッフをご紹介します。

🌱アートディレクション 脇田あすかデザイン事務所
🍵公式キャラクター「たぬち」デザイン DAISUKE KONDO
🌱校閲 渋谷遼典
🍵ページデザイン・コーディング・編集 U-NEXT


敬具
U-NEXT オリジナル書籍
「文学茶釜(何が出るかな)」
編集部 鶴我百子